イエス・キリストの黙示。この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストに与え、それをキリストが天使を送って僕ヨハネに知らせたものである。ヨハネは、神の言葉とイエス・キリストの証し、すなわち、自分が見たすべてを証しした。この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて中に記されたことを守る者たちは、幸いだ。時が迫っているからである。(ヨハネの黙示1,1~3)

 2021/10/11

8.7つの幸い   

ヨハネの黙示にある7つの幸い(①~⑦)1は、この黙示録の流れを支え、生きている者に多くの実りをもたらすイエス・キリストの世界観の到達点を示す。これらの幸いは、A,B、 2つのグループに分類することができる。Aは、ヨハネの黙示によって訓練する者の幸いについて書かれているもので、①:預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて中に記されたことを守る者たち、②:主にあって死ぬ人、③:裸で歩くのを見られて恥をかかないように、目を覚まし、衣を身に着けている人、⑥:この書の預言の言葉を守る者、が当てはまる。Bは、ミサに与かる者の幸いについてで、④:小羊の婚礼の祝宴に招かれている者、⑤:第一の復活にあずかる者、すなわち神とキリストの祭司となって、キリストと共に千年の間支配する者、⑦:(キリストの聖体によって)自分の衣を洗い清める者、が当てはまる。次に、グループ別の幸いを登場する順に並べると、①A-A-A-B-B-A-Bとなる。ここからこの幸いの流れが、ヨハネの黙示の訓練者をミサに向かうように導いていることが分かる(①A-A-A-B-B)。幸いの到達点はミサである。最後の2つの「幸い」を告げる天使は、再びヨハネの黙示の訓練を勧め(⑥A)、「この書の預言の言葉を、秘密にしておいてはいけない」(黙示録22:10)と命じた。最後の幸いは、ミサに与かるキリスト者の特別な使命を表しているからだ(⑦B)。

【参考】.『黙示録』①1:3、②14:13、③16:15、④19:9、⑤20:6、⑥22:7、⑦22:14. 本ブログ№23.『神学の河口』№24「白い衣」

Maria K. M.


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