イエス・キリストの黙示。この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストに与え、それをキリストが天使を送って僕ヨハネに知らせたものである。ヨハネは、神の言葉とイエス・キリストの証し、すなわち、自分が見たすべてを証しした。この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて中に記されたことを守る者たちは、幸いだ。時が迫っているからである。(ヨハネの黙示1,1~3)

 2024/02/12


130. 反対を受けるしるし

創世記の初めの男は、「あなたが私と共にいるようにと与えてくださった妻、その妻が木から取ってくれたので私は食べたのです」(創世記3:12)と言って、自分の過ちの原因を神に帰した。そこで、神は、「人の偶発的情報」(蛇)に向かって「お前(蛇)と女、お前の子孫と女の子孫との間に私は敵意を置く」(創世記3:15)と言うことによって、初めの男を「神が置いた敵意」の恩恵から除外したのである。このため彼は、「人の偶発的情報」を区別するすべを持たないまま生涯を終える唯一の人となった。 

さらに、彼が「妻をエバと名付けた」(創世記3:20)という記述は、彼の「人相応の知識と記憶」が、再び「善悪の知識の木」を介して「命の息」とつながっていたことを物語っている(本ブログ№127参照)。彼は、「人の偶発的情報」を自分の知識として区別なく取り込んだ「人相応の知識と記憶」が求めるままに行為する人になったのである。 

聖霊の働きによって個々の命との相互作用を保っている「あれ」と命じた御言葉が、生き物の命とつながっているように(本ブログ№128参照)、彼は、「善悪の知識の木」を介して恒常的に「命の息」とつながるようになった(創世記3:22参照)。神は、彼が、今度は「命の木」とつながり、永遠に生きる知識を得ることのないように、彼を追放し、命の木に至る道を守った(創世記3:24参照)。 

ここに、「神である主は、エデンの園から彼を追い出された。人がそこから取られた土を耕すためである」(創世記3:23)と言う言葉が挿入された。それは、神が彼に「あなたのゆえに、土は呪われてしまった。あなたは生涯にわたり苦しんで食べ物を得ることになる」(創世記3:17)と言った言葉が実現し、土を耕す使命が、初めの男から代々男性に引き継がれていくためであった(創世記5:29参照)。 

そして、「土から取られたあなたは土に帰るまで、額に汗して糧を得る。あなたは塵だから、塵に帰る」(創世記3:19)と言った神の贖いの計画は、動き出した。洪水を通り抜けたノアが、主のために祭壇を築き(創世記8:20参照)、アブラハムがいと高き神の祭司サレムの王メルキゼデクと出会い(創世記14:18参照)、神は、アロンとその子らを祭司に任職した(出エジプト記29:9参照)。神の命じた贖いを完成する神の子イエス・キリストは、これらの聖書の歴史の上に到来する。 

「この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められている」(ルカ2:34)とシメオンに言われた彼は、まさに、初めの男が持つことのなかった「神の置いた敵意」そのものとして誕生したのである。

Maria K. M.



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