イエス・キリストの黙示。この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストに与え、それをキリストが天使を送って僕ヨハネに知らせたものである。ヨハネは、神の言葉とイエス・キリストの証し、すなわち、自分が見たすべてを証しした。この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて中に記されたことを守る者たちは、幸いだ。時が迫っているからである。(ヨハネの黙示1,1~3)

 2022/01/10


21. 天上戦

ヨハネの黙示の12章に巨大な赤い竜が現れた。竜は伝説の生き物だから、竜の姿や攻撃の描写は、フィクションである。また、「子を産もうとしている女の前に立ち、生まれたら、その子を食い尽くそうとしていた」(黙示録12:4)という表現は、異端者や迫害者たちが迫る現実が使徒たちの記憶に置かれ、恐れが広がっていることを表している。そして、彼らの脳裏に、聖霊と協働する彼ら自身のイメージが、一人の女の姿で荘厳に現れたことから、その責務の重大さも受け取っているのである。「女は男の子を産んだ」、すなわち、聖霊とその「助け手」である使徒から、キリストの聖体が生まれた。「この子は、鉄の杖であらゆる国の民を治めることになっていた。子は神のもとへ、その玉座へと引き上げられた」(12:5)。一方、使徒たちには「荒れ野」に神の用意された場所があった。この時宜を捉えて、天で戦いが起こった。「ミカエルとその天使たちが竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちもこれに応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった」(12:7~8)と書かれている。「天」は、使徒たちの脳を指している。「荒れ野」は、彼らの脳の中の無意識の領域である。それは、イエスが40日間断食をした後、サタンに試みられた場所でもあった。福音書に、その「荒れ野」でイエスが野獣と共にいたと書かれたのは、そこが、人にも獣にも共に備わっている無意識の領域であることを示唆している。神であっても人でもあったイエスの無意識の領域にもサタンは現れ、イエスを試みた。しかし、イエスは、神の言葉によってその頭を砕き、退けた。そして、天使たちがイエスに仕えていた。同じように使徒たちの無意識の領域には、使徒たちと共に生きたイエスの記憶、すなわち、イエス・キリストの世界観が生きており、そこでは、ミカエルとその天使が守っていた。彼らは、イエス・キリストの世界観が生きている使徒たちの無意識の領域から、この巨大な竜をその使いたちもろとも地上、すなわち、意識の領域に投げ落とした。

【参考】1. 黙示録12:12. 黙示録12:5~63. マルコ1:134. マタイ4:1~11

Maria K. M. 


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