2021/11/08
12. 預言の書
ヨハネの黙示にイエス・キリストの世界観があるのは、その全体が新約聖書成立の預言にあてられているからだ。主の日、著者が霊に満たされ、ラッパのような大きな声1を聞いて書き取った7つの教会への手紙には、すべて「耳のある者は、霊が諸教会に告げることを聞くがよい」という言葉が付されている。諸教会が新約聖書成立に目を向けるよう励ましているのだ。先の声が再び「ここへ上って来なさい。そうすれば、この後必ず起こることをあなたに示そう」2と言った事柄が、それを証ししている。著者にとって、玉座の中央とその周りにいる四つの生き物3が4つの福音書を表していることは自明のことであった。前にも後ろにも一面に目があったと書いていることから、すでにこれらの書物を目にした人々が少なからずいたのだろう。次に7つの封印がある巻物4によって、4つの福音書と使徒言行録、パウロの書簡が、預言的な言葉で紹介されている。最後に解かれた封印は黙示録である。この後、開かれた巻物を手にした天使5が叫んだ時、7つの雷が鳴ったが、「七つの雷が語ったことは秘めておけ」6と命じた天の声から、これは当時まだ新約聖書に含まれることが明らかではなかった7つの公同書簡であると思われる。7つの封印が解かれ「開かれた巻物」は、「小さな巻物」であったことが3度書かれている7。これは、ヘブライの聖書と比べて「小さな」新約聖書を指していたのである。著者はこれを取り、すべて食べた。
【参考】1. 黙示録1:10、2. 黙示録4:1、3. 黙示録4:6、4. 黙示録5:1、5. 黙示録10:1、6. 黙示録10:4、7. 黙示録10:2, 10:9, 10:10
Maria K. M.
0 件のコメント:
コメントを投稿