2023/02/13
78. 二つの命と男性の召命
前回考察したように、創世記で神が女に言った、「あなたは夫を求め、夫はあなたを治める」(創世記3:16)という言葉を、男性側に返し、掘り下げて考察することは、神が、男性に治めることを求めた生殖、すなわち命への責任を解き明かし、男性の召命を発見することになる。
神が、水と空の生き物を創造し、それらを祝福して、「産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地に増えよ」(創世記1:22)と命じた言葉と、人を男と女に創造し、彼らを祝福して、「産めよ、増えよ、地に満ちて、これを従わせよ。海の魚、空の鳥、地を這うあらゆる生き物を治めよ」(創世記1:28)と命じた言葉の違いは明瞭だ。神が彼らに、「地に満ちて、これを従わせよ」と言った言葉から、人口が地上に満ちたとき、受胎調整をする能力を、神が人には授けていたということを読み取ることができる。人が、止めどもなく増加を続け、飢餓によって絶滅してはならないからだ。後にこの能力は、神から「あなたは夫を求め」と宣言された女性にではなく、「夫はあなたを治める」という言葉によって、男性の体のメカニズムとして授けられていたことが分かる。
人以外の動物の雄は、雌の発情によって従属的に生殖行動を行う。人の場合これと異なり、男性は、女性の発情に左右されず支配的に行動する。すなわち男性は、主体的に受胎調節ができるのだ。だから、男性には、堕胎される命が生まれるのを食い止めるために、妊娠を防ぐことが可能だ。男性は思春期を迎えると、精巣の中で精子の元になる細胞の細胞分裂が開始され、精子が造られ始め、新しい精子ができると、古い精子は体内に吸収されるサイクルを持つ。それとは異なり、女性の卵子は、彼女が胎児であったとき、その数が確定し、誕生した後、彼女の体内で新たにつくられることはない。また、卵子が成熟し排卵するサイクルによって起こる月経を、女性は自らコントロールできない。神は、女性の性欲の根源を、ここに置いたために、女性の体のメカニズムには受胎調節能力がない。性欲は男性の方が勝ると一般的に言われていることだが、神は、受胎調整能力を男性に託したのだ。
聖書において、神が最後に「地に満ちよ」と言われたのは、全地が滅び去る洪水からノアの家族を救ったときだ。このとき神は、命への責任の召命が、男性にあることを明確にした。聖書には次のように書かれている。「神はノアとその息子たちを祝福して言われた。『産めよ、増えよ、地に満ちよ』」(創世記9:1)。イエスが12使徒をすべて男性から選んだ背景には、このような神の計画があった。使徒である男性だけを招いた最期の食卓で、聖体の秘跡を制定したのは、聖霊によって神の現存するキリストの聖体の誕生に、聖霊と協働させるためであった。神の計画は、初めからそうであったように、人の命の担い手である女性と、神の現存の担い手である聖霊の協働者として男性を選んだ。ゆえに教会は、名を呼ばれるべき二つの命(本ブログ№77参照)、人の命と聖体の命を守る使命を持つ男性たちのために、最善の教育プログラムを生み出さなければならない。
Maria K. M.
0 件のコメント:
コメントを投稿