イエス・キリストの黙示。この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストに与え、それをキリストが天使を送って僕ヨハネに知らせたものである。ヨハネは、神の言葉とイエス・キリストの証し、すなわち、自分が見たすべてを証しした。この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて中に記されたことを守る者たちは、幸いだ。時が迫っているからである。(ヨハネの黙示1,1~3)

 2024/07/15


152. 隠されたご聖体と司祭職

以前、「ヨハネの黙示録の預言的構成」(下図参照)の第4の預言、「司祭職とご聖体の秘儀が荒れ野と天に隠された教会がたどる運命の預言」(黙示録12~16章)の中で、天と荒れ野に隠されたご聖体と司祭職について考察した。その結果、「身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた」(黙示録12:1)女は、司祭職をイメージしていること、「火のように赤い大きな竜」(12:3)は、人間の情報であることが分かった。そして、教会がたどる運命が、「教会の堕落の預言」(17~18章)へと向かっているために、司祭職から生まれたご聖体は天に、司祭職は使徒たちの記憶に、それぞれ隠された(12:5~6参照)。現在の考察を先に進めるにあたって、これらの考察を振り返っておくことにする。 

その後、ミカエルとその使いたちは、人間の情報(竜とその使いたち)に戦いを挑み勝利した(12:7参照)。それは、昇天するイエスから、「あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられる」(使徒言行録1:5)、「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける」(使徒言行録1:8)と言われていた使徒たちの霊を、人間の情報から守るためであった。 

実際、使徒たちは、復活したイエスと食事を共にしていたとき、イエスから、「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい」(使徒言行録1:4)と命じられたとおりに、都で彼らが泊まっていた家の上の階にいた。そして、「婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた」(使徒言行録1:14)。上の階で熱心に祈っていた彼らは、人間の情報から守られていたのである。 

復活したイエスを見ていた彼らの霊の内で、「命の木」は、「命の息」と神の知識とをつなぐインターフェースの働きをしていた。「命の木」は、さらに「善悪の知識の木」とつながり、すでに「善悪の知識の木」とつながっていた彼らの魂に、神の知識を伝えるのである。こうして霊が魂とつながった彼らは、イエスを身ごもり、エリザベトを訪問したマリアが、「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます」(ルカ1:46~47)と言った言葉に共感できる状態にあった(図1参照)。 

創世記にあるように、先に「善悪の知識の木」とつながってしまった人類は、その魂に激しい欲求が起こると、魂の側から強力な自発性を求めて「命の息」とつながり、行為を成すことができるようになっていた。多くの人々が悪霊候補者となっていたのだ。彼らは死ねば悪霊となってこの世をさまようのである。ご聖体と出会うまで地獄の苦しみにさいなまれる彼らこそが、「我々の兄弟たちを告発する者、昼も夜も我々の神の御前で彼らを告発する者」(黙示録12:10)となる。 

使徒たちは、「小羊の血と自分たちの証しの言葉とで、彼に打ち勝った」(12:11)。「神のメシアの権威」(12:10)を実証したのだ。「自分たちの証しの言葉」は、福音書に「ペトロは、『たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません』と言った。弟子たちも皆、同じように言った」(マタイ26:35)と書いてあるとおりである。その後、イエスの予告どおりに散らされ、イエスの受難と死を知った彼らの記憶には、「小羊の血と自分たちの証しの言葉」が刻み込まれた。 

司祭職は、人間の情報(悪魔、竜、蛇)から逃れ、養われる場に隠された(黙示録12:14参照)。イエスの最期の食事の席である。「イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。『これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。』」(ルカ22:19)とあるように、このイエスの命令は、聖霊が降臨して実現したミサ典礼が執行される場で現在化する。そこには人間の情報は入ることができなかった(黙示録12:12~16参照)。 

しかし、ミサ典礼が終わり、派遣される信者たち、「すなわち、神の掟を守り、イエスの証しを守りとおしている者たち」(12:17)に、戦いを挑む情報群が待ち受けている。それは、「海辺の砂」(12:18)のような人の偶発的情報である。 

Maria K. M.





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